椅子の上にノートが置かれ、
そのノートがめくられていく映像が壁に映っている。
ノートに書かれた文章の中では
椅子に座った「私」がある場所について思い出し、想像をめぐらせる。
壁際に置かれたモニターには
観客が見ている、ギャラリーのその場のようすが映されている。
その映像が、しだいに
ノートの文章の中で語られている場所の像へと変化していき、
しばらくするとまた元のように、現実の場所の映像に戻る。
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言葉で描かれていく空間と、現実の空間とが
溶けあう時間を生み出そうとした作品。
(2004.3 switch point/東京)